過去問解説 2020年度(令和2年度)AT理論試験基礎②

AT 理論試験対策 2020AT理論試験

アスレティックトレーナー理論試験の過去問を解説していきます。
公式の解答ではなく、あくまで個人が解説しているものになりますので、正誤を保証するものではありません。ご承知おきください。

問11 インフルエンザについて正しいのはどれか

a.インフルエンザウイルスは抗原特異性によりA、Bの2つの型に分類される。
b.RNAウイルスの1つである。
c.インフルエンザの流行シーズンは、秋から冬にかけてである。
d.不活性ワクチン接種の有効率は 90%以上である。
e.発症から72時間後にウイルス量はピークに達する。

正解:b

a.インフルエンザウイルスの抗原特異性はA,B,Cの3つの型

b.正解。

c.インフルエンザの流行シーズンは冬〜春先である。

d.不活化ワクチン接種の有効率は70%

e.インフルエンザのウイルス量のピークは発症後48時間後である。

インフルエンザウイルスはナルトミクソウイルス科に属するRNAウイルスで,インフルエンザウイルスは鴨などの渡り鳥の腸管に不顕性感染し、常在している。

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学

問12 ディ・トレーニングについて正しいのはどれか

a.骨格筋への影響は、それまでのトレーニングの状態や期間によって変化することなく、一
様に生じる。
b.よくトレーニングされた長距離選手には、ディ・トレーニングによる最大酸素摂取量の低
下は生じにくい。
c.最大酸素摂取量の急激な減少は、1 回拍出量と最大心拍出量の減少と関係している。
d.動かないという状況下では、タイプⅡb 線維はほとんど変わらず、タイプⅠ線維が選択的
に萎縮していく。
e.筋萎縮は生じるものの、発揮できる筋出力は変化しない。

正解:

参照元が探せませんでした…

問13 以下の図が示す骨端症について正しいのはどれか

a.A.フライバーグ病 B.野球肘(外側型)C.オスグッド病 D.シーバー病
b.A.ケーラー病 B.野球肘(内側型)C.フライバーグ病 D.イゼリン病
c.A.上腕骨近位骨端線離開 B.野球肘(後側型)C.シーバー病 D.オスグッド病
d.A.上腕骨近位骨端線離開 B.野球肘(内側型)C.オスグッド病 D.シーバー病
e.A.上腕骨近位骨端線離開 B.野球肘(外側型)C.オスグッド病 D.シーバー病

正解:d

各図の症例は
A:上腕骨近位骨端線離開
B:野球肘(内側型)
C:オスグッド病
D:シーバー病

したがってdが正解となる。

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷・障害の基礎知識 『骨端症』の項目より参照。

問14 月経周期について誤っているのはどれか。2 つ選べ

a.正常は 25〜38 日である。
b.稀発月経は 90 日〜180 日である。
c.頻発月経は 24 日以内である。
d.原発性無月経は一度も月経が発来しない。
e.続発性無月経は 60 日以上月経がみられない。

正解:b,e

a.正しい。

b.稀発月経は39日〜89日。90日以上の場合は続発性無月経である。

c.正しい。

d.正しい。

e.続発性無月経は90日以上月経が見られない場合を指す。

月経周期の分類では25~38日が正常,39~89日は稀発月経、24日以内は頻発月経とされ、激しいトレーニングや精神的ストレス・摂食障害などから、90日以上月経が発来しない続発性無月経となることもある。

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学

問15 肩の構造と機能について誤っているのはどれか

a.棘上筋と肩甲下筋の間で腱板に裏打ちされていない関節包部分を腱板疎部という。
b.関節窩は上腕骨頭の約 1/4 を被覆する。
c.烏口上腕靭帯は烏口突起と上腕骨大・小結節をつなぐ。
d.関節唇は関節窩の深さを 20%増加させる。
e.後下関節上腕靭帯は肩関節外転・内旋時に緊張する。

正解:d

a.正しい。

b.正しい。

c.正しい。

d.関節唇は関節窩全体の深さを50%増加させている。

e.正しい。

スポーツ外傷・障害の理学診断 理学療法ガイドのp12〜p18に肩関節部における解剖説明があり、当問はおそらくそこから抜粋されていると思われます。

関節窩の周縁には関節唇が付着し、関節窩全体を大きくし、深さを50%増加させている。これを切除すると安定性が約20%低下する。

スポーツ外傷・障害の理学診断 理学療法ガイド

問16 トレーニング強度を評価するための「生理的強度指標」として誤っているのはどれか。2つ選べ

a.挙上重量
b.酸素摂取量
c.METS
d.血中乳酸濃度
e.RPE

正解:a,e

a.挙上重量は「物理的強度」の指標のため間違い。

b.正しい。

c.正しい。

d.正しい。

e.RPEは「主観的強度」の指標のため間違い。

問17 脊柱の運動について正しいのはどれか。2つ選べ。

a.後頭-環椎間では屈曲・伸展運動は起こらない。
b.後頭-環椎間での回旋運動は起こらない。
c.環椎-軸椎間での屈曲・伸展運動は起こらない。
d.環椎-軸椎間では左右約 45°の回旋運動が起こる。
e.T1-2 と比較して T11-12 の回旋可動域は大きい。

正解:b,d

a.後頭-環椎間での屈曲・伸展運動はある。起こらないのは回旋運動

b.正しい。

c.環椎-軸椎間での屈曲・伸展運動はある。起こらないのは側屈運動

d.正しい。

e.T1-2 と比較して T11-12 の回旋可動域は小さい

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の解剖と機能

問18 腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。2つ選べ。

a.神経根の圧迫による症状が多い。
b.好発レベルは L4/5 間に限局している。
c.L4 レベルの神経根が障害されると足部外側の感覚異常が生じる。
d.大腿神経伸展テストは L1 から L2 の神経根症状を疑う。
e.症状は運動によって増悪し、安静で軽減することが多い。

正解:a,e

a.正しい。

b.L4/L5間、L5/S1間に多く、限局はされない。

c.足部外側の感覚異常が起こるのは、S1レベルの神経根が障害された場合である。

d.大腿神経伸展テストはL2〜L4の神経根症状を評価するテストである。

e.正しい。

変性あるいは外傷により損傷した線維輪に、さらに力学的刺激が作用することにより線維輪の間を髄核が移動し、最終的には後方の神経根を圧迫し、同部に物理的および化学的な刺激を加え、腰椎椎間板 ヘルニアの疼痛や麻痺症状が発生すると考えられる.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻スポーツ外傷・障害の基礎知識

問19 ビタミンと生理的働きの組み合わせについて正しいのはどれか。
(正解が2つある不良問題です)

a.ビタミン C-ミトコンドリアでのエネルギー代謝に関与
b.ビタミン B6-アミノ酸代謝、たんぱく質合成に関連
c.ナイアシン―二酸化炭素生成の補酵素
d.ビタミン D-小腸と腎臓でのカルシウムとリンの吸収促進および骨形成
e.ビタミン K-明暗への順応,成長促進に関連

正解:b,d 

a.ビタミンCは抗酸化物質であり、コラーゲンやカルニチンの生成に関与する。ミトコンドリアでのエネルギー代謝に関与するのはビタミンB2。

b.正しい。

c.ナイアシンは解糖過程において補酵素として働く。二酸化炭素生成の補酵素となるのはビオチン。

d.正しい。

e.ビタミンKは血液凝固に関与する。明暗順応・成長促進に関与するのはビタミンA

問20 高所環境について誤っているのはどれか

a.最大酸素摂取量は低下する。
b.高山病の診断には、パルスオキシメータによる動脈血酸素飽和度の測定も有用である。
c.高山病では、無気力やめまい、頭痛などの症状がみられる。
d.利尿反応が生じる。
e.標高は動脈血酸素飽和度に影響しない。

正解:e

a.正しい。

b.正しい。

c.正しい。

d.正しい。

e.標高は動脈血酸素飽和度に影響する。

高山病の診断は自覚症状による 。自覚的評価だけでなく,パルスオキシメータによる動脈血酸素飽和度を測定することも有用である。標高2,000 ~3,000mでは酸素飽和度は90 ~93%, 3,000m代では85%,5,000mでは76%まで低下する.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学

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