問31 摂食障害について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.パーソナリティの特徴は、真面目で従順、完全主義である。
b.女性より男性に多くみられる。
c.神経性無食欲症の頻度は青年期女性の5〜10%
d.初潮後に無月経が1回生じると、神経性無食欲症の判断基準に当てはまる。
e.神経性大食症は、過食と自己誘発性嘔吐を繰り返す。
正解:a,e
a.正しい。
b.女性の方が多く見られる。
c.神経性無食欲症の頻度は青年期女性の0.5〜1%。
d.初潮後に無月経が3回生じると、神経性無食欲症の判断基準に当てはまる。
e.正しい。
摂食障害をもつ人のパーソナリティとしては,真面目,よい子(体制に従う)、従順、完全主義,強迫性格などがあげられる.
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公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学
問32 胸腹部外傷について誤っているのはどれか。2つ選べ。
a.気胸とは、損傷した肺から胸腔内へ空気が漏れる病態を指す。
b.気胸では胸腔内に漏れた空気により胸腔内圧が低下する。
c.flail chest とは肋骨の多発骨折で胸腔内圧が損なわれた状態である。
d.flail chest では呼気時に胸郭が縮む。
e.緊張性気胸では心臓への血液流入が妨げられる。
正解:b,d
a.正しい。
b.気胸では胸腔内に漏れた空気により胸腔内圧が上昇する。
c.正しい。
d.flail chest では呼気時に胸郭が拡張する。
e.正しい。
気胸,血胸では肺から漏れでた空気や出血により胸腔内の圧が上昇し呼吸、循環の両方が障害され、全身からの血液が胸腔にある心臓へ戻ることができなくなり死亡することもあるので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける.
また、3本以上の連続した肋骨がそれぞれ2ヵ所以上で骨折するとその部の胸壁は骨による固定性がなくなり(flailchestと呼ぶ),胸郭が膨らみ胸腔内の陰圧が高くなる吸気時には陥没し,胸部が縮む呼気時に贈隆する
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識
問33 肘関節の解剖・運動について誤っているのはどれか。
a.解剖学的姿勢では、上腕に対し前腕は外反している。
b.前腕屈曲回内筋郡は、上腕骨内側上顆から起始する。
c.腕橈骨筋は橈骨神経支配である。
d.成長期の肘関節では、複数の骨端骨化核がみられる。
e.肘部管を通過する神経は正中神経である。
正解:e
a.正しい。
b.正しい。
c.正しい。
d.正しい。
e.肘部管を通過する神経は尺骨神経である。
肘関節後内側で尺骨神経は,関節包とFCU尺骨頭・上腕頭両頭間に張る腱膜の間を下降する, この部を肘部管 cubital tunnel と呼び、競技者では尺骨神経の脱臼、絞扼性神経障害などが起こりやすい
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖
問34 水分補給として、正しいのはどれか。2つ選べ。
a.運動の約2時間前に250〜500ml程度の水分を摂取し、その後1時間毎に500〜1,000mlの水を一度に飲む。
b.1時間以上継続するような運動時には20〜40mmol/l程度のカリウムを含む水溶液をとることがすすめられる。
c.水分の温度は、低い方が胃の通過速度が速い。
d.8%を超す高濃度の糖質液では胃の通過速度が遅くなる。
e.ハイポトニック飲料は、運動前の水分補給、疲労の予防に適している。
正解:c,d
a.運動の約2時間前に250〜500ml程度の水分を摂取し、その後1時間毎に500〜1,000mlの水をこまめに200mlごとに飲む。
b.1時間以上継続するような運動時には20〜40mmol/l程度のナトリウムを含む水溶液をとることがすすめられる。
c.正しい。
d.正しい。
e.アイソトニック飲料は、運動前の水分補給、疲労の予防に適している。
水分吸収の速度を考慮すると、運動の約2時間前に250~500ml程度の水分を摂取し、その後1時間ごとに500~1,000mlの水を200ml程度ずつ飲む.
(中略)
アイソトニック飲料は非運動時には最も吸収が早いので,運動前の疲労予防、 水分補給に適している.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養
問35 急性硬膜外血腫および急性硬膜下血腫について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.急性硬膜外血腫の方が、急性硬膜下血腫よりも救命率は低い。
b.どちらも受傷後、時間の経過とともに症状が出現することがある。
c.急性硬膜下血腫は頭蓋骨と硬膜の間に血腫ができた状態である。
d.急性硬膜外血腫では脳ヘルニアは生じない。
e.急性硬膜下血腫では脳ヘルニアに至る可能性がある。
正解:b.e
a.急性硬膜外血腫の方が、急性硬膜下血腫よりも救命率は高い。(急性硬膜下血腫の方が救命率が低い)
b.正しい。
c.急性硬膜下血腫は硬膜と脳組織の間に血腫ができた状態である。
d.急性硬膜外血腫では脳ヘルニアは生じる可能性がある。
e.正しい。
(急性硬膜外血腫についての記載)
患者本人は多少血腫が増大しても無症状である.そして,血腫の体積が増えてくるに従って、頭内の血腫の占める割合が増え,閉鎖腔である頭蓋内の圧が上昇してくる.この状態を頭蓋内圧充進状態と称するが、この時点で頭痛や吐き気・嘔吐などの自覚症状を生じてくる.さらに下にある脳組織の圧迫により片麻痺(血腫形成部位の反対側)やけいれんを起こすことがある.この状態がさらに進行すると,頭蓋内の脳組織のひずみを生じ、意識や呼吸など生命の維持に必要な脳幹という部分に圧迫が加わり生命の危険にさらされる.(急性硬膜下血腫についての記載)
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識
本症では,原則的に脳組織の挫滅はないので、受傷当初は意識障害があったとしても、外傷を受けたための脳振とうのようなものを併発した
一時的なものであり,その後の血腫が増大してくるに従い、脳組織を圧迫して臨床症状を呈してくる.これは前項目の硬膜外血腫と同様で、当初は無症状,その後に血腫の容量増大に伴い頭蓋内圧充進症状の頭痛,吐き気・嘔吐などや,局所神経症状としての片麻痛やけいれんを生じ
ることになる.その発症時期は血腫の増大スピードにより異なるので,外傷後間もないときから受傷後24時間くらいは発症しえると考えたほうが良い.
最終的には、先の脳ヘルニアの状態となり、意識障害、呼吸停止となる.
問36 膝関節の徒手検査法と疾患の関係について正しい組み合わせはどれか。2つ選べ。
a.外反ストレステスト ー 膝内側側副靭帯損傷
b.McMurray test ー 後十字靭帯損傷
c.Lachman test ー 前十字靭帯損傷
d.膝蓋骨のapprehension sign ー 有痛性分裂膝蓋骨
e.N-test ー 半月板損傷
正解:a,c
a.正しい。
b.McMurray test ー 半月板損傷
c.正しい。
d.膝蓋骨のapprehension sign ー 膝蓋骨脱臼
e.N-test ー 前十字靭帯損傷
(膝内側側副靱帯損傷についての記載)
仲展位と軽度屈曲位での外反ストレステストを行う.(前十字靭帯損傷についての記載)
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識
ACL損傷に対する不安定性テストとしては,Lachman test と90°屈曲位での前方引き出しテストがある.
問37 鉄欠乏性貧血の原因の組み合わせについて正しいのはどれか。2つ選べ。
a.鉄摂取の不足 ー 月経
b.鉄摂取の不足 ー ダイエット
c.鉄需要の増大 ー アルコール中毒
d.鉄需要の増大 ー 妊娠
e.鉄吸収の障害 ー 過激なスポーツ
正解:b,d
a.鉄排泄の増大 ー 月経
b.正しい。
c.鉄摂取の不足 ー アルコール中毒
d.正しい。
e.鉄需要の増大 ー 過激なスポーツ
参照:
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学より引用
問38 泳運動について誤っているのはどれか。2つ選べ。
a.水抵抗に対して力を加え、その反作用で前進する。
b.筋肉の比重は1より大きい。
c.脂肪の比重は1より大きい。
d.クロールでは、脚に比べて腕による水中牽引力が大きい。
e.平泳ぎでは、脚に比べて腕による水中牽引力が大きい。
正解:c,e
※この回答に関しては、明確な引用元が見つけられませんでした。
a.正しい。
b.正しい。
c.脂肪の比重は1より小さい。
d.正しい。
e.平泳ぎでは、腕に比べて脚による水中牽引力が大きい。
問39 足関節・足部の構造と機能について誤っているのはどれか。2つ選べ。
a.距骨滑車の横径は前方と比較して後方の方が大きい。
b.距骨に付着する筋や腱はない。
c.アキレス腱と足底腱膜は骨膜性に連続している。
d.足関節底屈時に前下脛腓靭帯は最も緊張する。
e.ショパール関節を形成する骨は踵骨・距骨・立方骨・舟状骨である。
正解:a,d
a.距骨滑車の横径は前方と比較して後方の方が小さい。
b.正しい。
c.正しい。
d.足関節背屈時に前下脛腓靭帯は最も緊張する。
e.正しい。
距骨滑車部はかまぼこ型で脛骨・腓骨と足関節をつくり底背屈運動の中心を担う.その下面は踵骨と距骨下関節を形成する.頭部は球形をしており舟状骨と距舟関節をつくる.距骨には付着する筋や壁がなく,全体のほとんどが関節面で覆われているため,血管が入り込む部分がきわめて限られる.
背屈時に脛腓関節はやや開大し,底屈時に戻る
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖
問40 急性硬膜下血腫について正しいのはどれか。
a.致死率は急性硬膜外血腫よりも低い。
b.頭蓋内圧亢進症状である見当識障害が出現する。
c. 架橋静脈の破綻により、硬膜と脳組織の間に血腫が形成される。
d.一般に受傷起点は明確で現場で判定可能である。
e.運動麻痺を生じることはない。
正解:c
a.致死率は急性硬膜外血腫よりも高い。
b.頭蓋内圧亢進症状は頭痛・吐き気・嘔吐など。これらが出現する。
c.正しい。
d.受傷起点は現場で判定不可能である。CTをとらないとわからない。
e.運動麻痺を生じることはある。
頭部が急激に揺すられることにより,移動の激しい頭蓋骨と慣性の法則に従い比較的位置の移動のない脳の間に移動の位相のずれが起きる.その後に「頭蓋骨骨折」の項目の図Ⅲ-E-1に示している頭蓋骨の中央にある静脈洞と脳の表面を連絡する架橋静脈に急激なストレス,張力が加わると、当該静脈が切れてしまうことがある(図Ⅲ-E-8).この切断された架橋静脈より線々にではあるが出血が続き、硬膜と脳組織との間に血腫が形成された場合を,急性硬膜下血腫と称している.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識