腰痛になりやすい人vs.なりにくい人|その違いと対策を徹底解説

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急に腰が痛くなった!

慢性的に腰痛に悩んでいる…

この腰の痛み、いつまで続くの?

そのような方に向けた腰痛の対策方法を、腰痛の原因と合わせてお伝えします。

この記事を見れば…

  • 腰痛になる理由がわかる
  • 腰痛になってしまった時の対策がわかる
  • あなたの腰痛の特徴と、その対策がわかる
  • 腰痛になりやすい人の特徴と、腰痛になりづらい人の特徴がわかる

本記事の信頼性

実際に現場で腰痛の患者さんに対して日々施術を行なっているからこそ、「ぜひ腰痛の人に知ってもらいたい!」という情報や知識を、現場で活動するトレーナー・整体師目線でお伝えします。

腰痛のあれこれ【症状・原因・なりやすい人】

腰痛とは、腰部に生じる痛みや不快感の総称で、現代人の約8割が一生のうちに経験する症状です。

8割の人が経験するってすごい数字ですよね。

腰痛が多発する最も大きな理由は、身体の姿勢不良です。

人間は元々4足歩行だったのが、進化の過程で2足歩行となりました。ですが人体の骨や筋肉の構造としては、あくまで4足歩行をする前提でモデリングされているため、2足歩行を始めたことにより各部位に負担がかかりやすくなってしまっています。

その部位というのが腰です。特に現代社会では、2足歩行特有の立つ・歩くといった動作に加え、長時間のデスクワークや運動不足により、腰痛のリスクがさらに高まっています

令和4年の厚生労働省の調査によると、腰痛は日本人の自覚症状の第1位(男性)、第2位(女性)を占めており、年間約2,800万人が腰痛に悩んでいます。

腰痛は今や、ほとんどの現代人にとって避けて通れない、そんな社会的な健康問題になりつつあると言えます。

腰痛になりやすい人:姿勢が悪い人・デスクワーカー

腰痛になりやすい人の最大の特徴は、先述した通り「姿勢の悪さ」です。


特にデスクワーカーは職業的なリスクが高いといえます。

その理由としては2つあります。

1つは、長時間同じ姿勢をとり続けているということです。

多くのデスクワーク職の方はデスクに向き合い、椅子に座り続け、お仕事をされていることが多いかと思います。

この「長時間座り続ける」というのが筋肉にとっては非常に大きな負担となるのです。

よく整体に来られるデスクワーカーさんの中には、こんなことを言われる方がいます。

「立ち仕事の人に比べれば、座りっぱなしだから楽だと思うんだけどね〜」

これを聞いて、「確かにそうかも!」と思う方もいるかもしれません。が、これは大きな間違いです。

本質は「筋肉の使われ方」にあります。

私たち人間は地球上に生きている限り重力という力が常にかかっています。ですので寝ている時以外のほとんどの姿勢では、体を支えるために常に筋肉が使われています。ですが、普段から「重力感じてる!筋肉使ってる〜〜〜!」といったことを感じながら過ごしている方はほとんどいないと思います。(いらっしゃったら余程のへんた…失礼しました笑)

筋肉というのは基本的に縮む性質しかありません。
筋肉が縮む=何かしらの関節の動きや動作があるということになります。
では「同じ姿勢をキープしている」状態ではどうなっているかというと、「伸ばされながら縮んでいる」という状態になっています。

これを「等尺性収縮」といいます。

ヒル,1954(公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第6巻予防とコンディショニングより引用)

「等尺」という文字通り、尺(距離)が変わらない、筋肉の伸び縮みの動きがないということです。

この使われ方は、筋肉を収縮させる(図の短縮性収縮)よりも、筋肉の負担は大きくなります。

同じ姿勢をずっと続けている≒筋肉への負担が大きい ということが言えます。

もうひとつが、座っている姿勢がそもそも腰の筋肉に負担をかける姿勢であるということです。

下の図は、腰の椎間板へかかる負担がどのくらいなのか?を表した図です。

Harris NH et al: Lesions of the symphysis in athletes. Br Med J 4: 211-214. 1974.
(公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻スポーツ外傷・障害の基礎知識 より引用)

どういうことかというと、立っている時にかかる椎間板への力が100%とした場合、座っている時には140%もの力がかかっているということです。

さらに座り姿勢から前屈みになっていくと、185%、275%となっています。

ここからさらに足を組んだりなどして腰にねじれの負荷がかかったりすると、、、いうまでもありませんが腰への負担はさらに増加します。

こういうのは本当にヤバい姿勢

つまり、デスクワーカーさんが腰痛を抱えやすい理由としては

①座りっぱなし=常に筋肉が使われている
②座っている姿勢そのものが腰に負担大

これらが大きな理由です。

また先述した内容ではデスクワーカーさんに焦点を当てましたが、デスクワーカーじゃない人も、この2つがのうちいずれかにあてはまっている場合、腰痛のリスク大だと思っておいた方がいいです。

正しい姿勢の維持と定期的に姿勢を変える(同じ姿勢でい続けない)ことが、腰痛予防の基本となります。


腰痛にはどのような症状があるか

腰痛とひとくくりに言っても、原因や症状は人によって様々。

今回の記事では主に「慢性腰痛」に関してフォーカスしますが、そもそもどんな違いがあるのか?というところを簡単に説明します。

腰痛の症状によって、いくつか分類でき、それぞれ原因と対処法が異なります

もちろん確定診断は病院でしかできないという前提はありますが、症状ごとにどんな特徴があるのか、簡単に図にまとめましたのでみていきましょう。

慢性腰痛

症状名病気の
区分
痛みの
特徴
痛む場所なりやすい
年齢
痛みが
強くなる時
特徴的な
症状
日常生活の
影響
筋・筋膜性腰痛慢性3ヶ月以上継続するだるい痛み腰全体40歳以上の中高年長時間同じ姿勢をした時筋肉のこわばり、姿勢が悪くなる仕事や家事がつらい
脊柱管狭窄症慢性歩いていると足が痛くなる腰椎4-5番目の間が多い55-80歳の高齢者歩いている時、前かがみで楽になる歩いていると休みたくなる長時間歩けない
腰椎すべり症慢性立っていると腰が痛い腰椎4番目40-60歳の中年女性立ったり歩いたりした時腰椎が前にずれている立ち作業がしづらい
背骨の変形慢性姿勢を保つのがつらい胸部から腰部思春期または高齢者立っている時、バランスをとる時背中が曲がって見える呼吸がしづらい、日常動作が困難

急性腰痛

症状名病気の区分痛みの特徴痛む場所なりやすい年齢痛みが強くなる時その他の症状
ぎっくり腰急性突然の激しい痛み腰の中央付近20-50歳の働き盛り動こうとした時筋肉のけいれん
椎間板ヘルニア急性腰から足にかけての強い痛み腰椎4-5番目の間が多い20-40歳の若い世代前かがみになった時足のしびれ・筋力低下
筋・筋膜性腰痛急性腰全体の重い痛み腰の筋肉全体すべての年齢前かがみや長時間同じ姿勢筋肉のこわばり
骨折による腰痛急性動くと激痛背骨の骨(胸腰椎)65歳以上の高齢女性体を動かした時身長が縮む・背中が丸くなる
仙腸関節の痛み急性腰の片側とお尻の痛み腰の下部からお尻20-50歳座った状態から立つ時股関節周りの筋肉の緊張

ざっくりとまとめたものになりますが、もし腰痛がある場合、症状の特徴を理解し、自分の腰痛タイプを把握することが適切な治療の第一歩です。

また症状の特徴として年齢と腰痛は比例する傾向がありますが、若い人でも姿勢不良や運動不足により腰痛が発症することは珍しくありません。

腰が痛い!そんな時の具体的な対策

腰痛が発生した時は、症状の状態や程度に応じて段階的な対処を行うことが大切。

症状を見極めつつ、なるべく早く対策・対応することで、その後の症状の悪化を防ぎ、早期回復を促すことができます。

また、間違った対処法は症状を悪化させる可能性があるため、痛みに対しての正しい知識を身につけることが重要です。

症状別ケア方法:急性

急性の症状というのは

・ズキズキした痛み(拍動性)
・熱を持っている感じ
・突然痛みが出た

主にこういった症状が共通しています。

1番は整形外科を受診し診断してもらうのが安全で安心ですが、なかなかすぐに病院に行けない場合もあると思います。

安静

なんといっても安静です。

急性期の痛みは炎症による痛みであることが多いです。

イメージで言うと、包丁で指を切ったら、その部分から血が出てジンジンと痛みますよね?

血が出ているところををたくさん動かしたり、ましてやたくさん触ったり強く刺激したりすると、余計に症状を悪化させてしまいます。

急性腰痛も同じです。まずは安静。

冷却処置

急性の痛みがある場合、発症から48~72時にかけて炎症が続きます。その間の期間は安静にし、患部を冷やしましょう。

冷やす手段としてはなるべく氷が望ましいです。
保冷剤を用いても良いのですが、保冷剤は0℃以下の温度になってしまい、凍傷のリスクがあるため氷があるなら氷で冷却しましょう。

冷却時間としては約10〜15分、冷えて皮膚の感覚がないくらいが冷却完了の合図です。

1日の中の可能な範囲で、1時間サイクルごとに繰り返すと良いです。

固定処置

痛い、痛いけど、どうしてもやらないといけないことがある…!

という方はコルセットなどで腰を固定しましょう。

本来は安静にし動かないのが望ましいですが、その対応が難しい場合は装具で患部を動かないよう固定し回復を促します。

コルセットは腰部を支持し、動きを制限することで痛みを軽減します。ただし、長期間の使用は筋力低下を招く可能性が高いため、症状が改善したら徐々に使用を減らしていきましょう。

痛み止めの服用

こちらも上記と同じように、「安静にできない何かしらの事情がある時」に痛み止めを服用するようにしましょう。

理由としては、「痛み止めで症状が治っているわけではない」からです。

あくまで痛みどめは「痛みを感じにくく」しているだけです。薬そのものに痛みの原因を治療する効果はありません。

ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で炎症を鎮静させる効果がありますが、だからと言って「痛くない!動ける!!」といって動き回ったら痛みが悪化してしまいますので、あくまで補助的な役割としての服用がおすすめです。

ドラッグストアで売られている湿布や、塗るタイプの湿布(バンテリンなど)も、「これを貼れば(塗れば)治る!」というものではないです。成分として抗炎症効果があるとの記載もありますが、、、皮膚から吸収できる抗炎症成分は毛細血管から吸収され全身に巡るので、局所的にも効くというわけでもないですね。気休め程度に思っていた方がいいかもしれません。

症状別ケア方法:慢性

温熱療法

慢性の痛みに対しては、急性とは反対に患部を温める温熱療法が効果的です。

慢性痛に関しては炎症はもうおさまっている状態。反対にこわばった筋肉に対して血流促進を促すことで回復促進効果が期待できます。

そのため入浴やホットパックなどで患部を温めることで、血流が改善し、筋肉の緊張がほぐれることで症状を緩和できます。

運動療法

運動といっても激しく動く運動ではなく、ストレッチングのような形で筋肉を動かし、血流を促進させ患部の回復を促すのが目的。

痛みのある場所(腰)だけでなく、腰の周囲の筋肉(お尻、太もも、背中)などをしっかりストレッチングしていくのが大事です。

医療機関の受診の流れ

腰痛の場合、まず受診する先は整形外科です。

整形外科にて問診、視診、触診に加え、必要に応じてレントゲンやMRI検査を行うことで、腰痛の原因や症状を精査・特定します。

病院によっては、理学療法士などによるリハビリテーションも併せて処方されることがあります・

医療機関と整体・整骨院の違いは?

医療機関(整形外科)では医師による診断と治療が行われます。また診療に関しては保険の適用があります。

整体・整骨院では施術者の手技による治療が中心になり、保険に関しては適用外となることもあります。

おすすめの流れとしては、

整形外科受診

(保険適用内の症状であれば)整骨院・整形外科のリハビリテーション
(保険適用外の症状であれば)整骨院・整体院にて施術治療

という流れで治療を進めていくことがおすすめです。

こんな症状があれば要注意!

先ほどは腰痛に対して自宅でできるような対策方法をお伝えしましたが、もしこんな症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが望ましいです!

  • 下肢のしびれや麻痺(長時間にわたって感覚がない)
  • 排尿・排便障害
  • 足の脱力感や歩行困難
  • 発熱を伴う腰痛
  • 安静時にも激しい痛みが続く
  • 夜間痛で眠れない
  • 体重減少を伴う腰痛

こういった症状がある場合、単なる慢性腰痛ではなく、きちんと中長期で治療が必要な疾患(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、馬尾症候群、感染症、悪性腫瘍など)の可能性があるため、なるべく早く病院にて診断と治療を受けましょう。

自己判断での対処は避け、必ず医療機関を受診することをおすすめします。


腰痛になりにくい体を作るには?

腰痛の根本的に予防するは、正しい姿勢を維持することが不可欠です。

上記で解説したケア方法はあくまで対症療法です。

「なぜ痛くなるのか?」という、腰痛の根本の原因部分は姿勢不良なので、結局はその部分を改善して行かなかれば、何度も腰痛を再発したり、「万年腰痛」と呼ばれるような、痛みがあるのが当たり前な状態になってしまいます。

ですのでまずは正しい姿勢を知り、日々の中で実践していくことで、痛みが出づらい身体の土台作りをしていきましょう!

姿勢

理想的な姿勢は、耳・肩・腰・膝・くるぶしが一直線上に並ぶ状態です。

正しい姿勢では、頭は背骨の真上に位置し、顎は軽く引いているような状態です。

肩は左右同じ高さで、肩甲骨は軽く寄せている状態。背骨の腰あたり(腰椎)は自然なS字カーブを保ち、骨盤はフラット。

どのような姿勢がいいのか

座位の場合:

  • 足裏全体を床につける
  • 膝と股関節は90度に保つ
  • 背もたれに腰を密着させる
  • 顎を軽く引き、モニターと目線を合わせる

立位の場合:

  • 体重を両足に均等にかける
  • 膝は軽く曲げる
  • 肩の力を抜き、胸を軽く張る
  • 頭頂部を天井に向ける意識を持つ

まとめ

腰痛になりやすい人となりにくい人の違いは、主に姿勢と生活習慣にあります。

特にデスクワーカーの方には、腰痛を引き起こしやすい姿勢、腰への負担がかかりやすい姿勢になってしまいやすいということがお分かりいただけたと思います。

腰痛にもいくつか種類があり、それぞれの症状に応じた対策をすることで痛みの改善に繋がります。

また、すぐに病院を受診した方がいい、危険な症状についてもご説明していきました。

根本的な腰痛予防には、正しい姿勢の習慣化が最も効果的です。

今日から実践できる対策を始めることで、腰痛に悩まされない健康な生活を送ることができますので、まずは姿勢の意識、頑張ってみましょう!

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