過去問解説 2020年度(令和2年度)AT理論試験基礎③

2020AT理論試験

アスレティックトレーナー理論試験の過去問を解説していきます。
公式の解答ではなく、あくまで個人が解説しているものになりますので、正誤を保証するものではありません。ご承知おきください。

問21 耳の外傷・障害について誤っているのはどれか

a.損傷した鼓膜は自然治癒しない。
b.カリフラワー耳は、耳が外部と頭蓋骨に挟まれることで起こる。
c.中耳炎は外耳道の常在細菌により容易に生じる。
d.頭蓋底骨折により耳出血が見られる場合がある。
e.外耳道中の圧力の急激な上昇は鼓膜穿孔を生じる。

正解:a

a.損傷した鼓膜は1-2ヶ月で治癒する

b.正しい。

c.正しい。

d.正しい。

e.正しい。

鼓膜穿孔は感染さえ防げば1~2ヵ月で自然治癒する.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識

問22 熱中症について誤っているのはどれか

a.熱射病は体温調節が破綻して起こる。
b.大量の発汗後に水のみ補給すると熱けいれんが起こりやすい。
c.体重の3%の水分が失われると体温調節に影響すると言われている。
d.WBGT28℃以下では熱中症の危険が高い。
e.熱疲労は脱水によるもので、めまいや吐き気、頭痛などの症状が起こる。

正解:d

a.正しい。

b.正しい。

c.正しい。

d.WBGT28℃以上では熱中症の危険が高い。

e.正しい。

WBGT28℃以上では、熱中症の危険が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学

問23 ミネラルや微量元素の過剰摂取による症状について正しいのはどれか。2つ選べ。

a.マグネシウムー下痢
b.カルシウムー泌尿器系の結石
c.リンー甲状腺中毒症
d.マンガンーミルクアルカリ症候群
e.ヨウ素ー副甲状腺機能の亢進

正解:a,b

a.正しい。

b.正しい。

c.リンー副甲状腺機能の亢進(甲状腺中毒症はヨウ素の過剰摂取にて起こる症状)

d.マンガンー血清マンガン濃度の上昇(ミルクアルカリ症候群はカルシウムの過剰摂取にて起こる症状)

e.ヨウ素ー甲状腺機能低下、甲状腺腫、甲状腺中毒症(副甲状腺機能の亢進はリンの過剰摂取にて起こる症状)

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養 より引用

問24 筋肉の動きを示すことばの説明で、誤っているのはどれか

a.上腕二頭筋は肘関節屈曲運動の主働筋である。
b.上腕筋は肘関節屈曲運動の主働筋である。
c.肘関節屈曲運動の拮抗筋は円回内筋である。
d.立位で肩関節を屈曲(挙上)する際には、脊柱起立筋群が固定筋となる。
e.上腕三頭筋長頭は二関節筋である。

正解:c

a.正しい。

b.正しい。

c.肘関節屈曲運動の拮抗筋は上腕三頭筋

d.正しい。

e.正しい。

筋収縮によって関節が運動するとき、その関節運動に作用 する主な筋を主動筋という.例えば、アームカールで肘関節を屈曲させるとき、 上腕二頭筋が主動筋となる

(中略)

主動筋の逆の働きをする筋肉を拮抗筋という.主動筋の例にあてはめると,上腕三頭筋は拮抗筋となる.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖

問25 離断性骨軟骨炎について誤っているのはどれか

a.離断性骨軟骨炎は上腕骨小頭部の発生が最も多い。
b.軟骨の摩耗から始まり、亀裂、裂離、欠損と進行していく。
c.病変部には腫脹が生じることもある。
d.肘関節遊離体とは関係がない。
e.変形性関節症に移行しやすい。

正解:d

a.正しい。

b.正しい。

c.正しい。

d.肘関節遊離体とは関係がある

e.正しい。

病期が進行すると肘関節屈曲伸展制限や関節遊離体 (ネズミ) によるロッキングが生じることがある

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識

問26 運動による心臓血管系への影響について誤っているのはどれか。2つ選べ

a.ウエイトリフティングや相撲などでの瞬発系トレーニングは心臓に圧負荷をかける。
b.生理的左室肥大では、トレーニングを中止してもその形態は維持される。
c.有酸素系若年競技者は左室心筋重量が低い。
d.容量負荷による左室肥大は、心臓の内腔を拡大させる。
e.血流量が1%増加すると、運動時心拍数は1%減少する。

正解:b,c

a.正しい。

b.生理的左室肥大では、トレーニングを中止するとその形態は復する

c.有酸素系若年競技者は左室心筋重量が高い

d.正しい。

e.正しい。

生理的左室肥大は長期間にわたる高度のトレーニングがもたらすものであり、トレーニングという負荷を中止することにより、その心臓の形態変化は復することが特徴である

有酸素系の運動と無酸素系の運動の種類による左室形態の特徴は有酸素系若年者競技者で左室心筋重量が高く、無酸素系中年競技者で左室壁厚内径比が高い

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学

問27 手関節・手の運動について誤っているのはどれか。

a.前腕骨の回内外運動は尺骨の周りを橈骨遠位が回旋しながら偏位する。
b.手関節運動は手根中央関節と橈骨手根関節で構成されている。
c.三角線維軟骨複合体には尺骨手根骨の支持機構の役割がある。
d.遠位側に位置する手根骨は大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鈎骨である。
e.母指のMP関節の橈尺屈は他の指に比べて、可動範囲は小さい。

正解:e

a.正しい。

b.正しい。

c.正しい。

d.正しい。

e.母指のMP関節の橈尺屈は他の指に比べて、可動範囲は大きい

b) 母指MP関節
他指のMP関節と同様に関節運動は行われるが、橈尺屈は他の指と比べて橈屈20° ,尺 屈7° と可動範囲は大きい(図11-C-54).

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の解剖と機能

問28 ストレス反応について誤っているのはどれか。2つ選べ。

a.心理的反応と身体的反応がある。
b.ほとんどの反応が不機嫌と怒りである。
c.パフォーマンスにとって常に阻害要因となる。
d.人的変数として自尊感情が関連する。
e.環境的変数として他者からの評価が関連する。

正解:b,c

※この回答に関しては、明確な引用元が見つけられませんでした。

a.正しい。

b.ほとんどの反応が不機嫌と怒りではない。(ストレスに関しての反応が不機嫌と怒りのみに限局されないと思われる)

c.パフォーマンスにとって阻害要因となることもある。(ストレスは阻害要因だけでなくパフォーマンスを向上させる要素の一つとなることも考えられる。)

d.正しい。

e.正しい。

問29 身体組成と性差について①から④に入る語句の組み合わせとして正しいのはどれか。

a.①男子 ②女子 ③除脂肪量 ④体脂肪量
b.①女子 ②男子 ③体脂肪量 ④除脂肪量
c.①男子 ②女子 ③筋肉量 ④骨量
d.①女子 ②男子 ③骨量 ④筋肉量
e.①筋肉量 ②骨量 ③男子 ④女子

正解:a

左のグラフを参照。

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養 より引用

問30 足関節外がえし捻挫で受傷することが多い靭帯として正しいのはどれか。2つ選べ。

a.二分靭帯
b.前距腓靭帯
c . 遠位脛骨腓靭帯
d.三角靭帯
e.踵腓靭帯

正解:c,d

a.二分靭帯は内がえし捻挫で受傷しやすい。

b.前距腓靭帯は内がえし捻挫で受傷しやすい。

c.正しい。

d.正しい。

e.踵腓靭帯は内がえし捻挫で受傷しやすい。

足・足関節の回内(外返し)によって生じる三角靱帯の損傷である。三角報帯には浅層と深層がある(図111-D-90) . 内果の前方から後方にいたる幅の広い靱帯であり、受傷肢位によって前方線維,後方線維,浅層線維、深層線維がさまざまな程度で損傷をうける。遠位脛腓靭帯損傷を合併して脛腓間のの離開を伴う場合は完全に断裂していることが多い

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識
rami

国体で複数回入賞・全日本インカレ3年連続入賞経験のある元陸上選手。
現在は独立しアスレティックトレーナー・整体師として活動。東京都内で整体師として施術する傍ら、スポーツ現場では女子サッカー・陸上競技に帯同。

合格率約10%前後のアスレティックトレーナー(JSPO-AT)資格保有。
走り方のトレーニング、身体操作(ボディコントロール)が得意分野。

過去に東京五輪・日本選手権(陸上)のサポート経験、女子バスケのトレーナー帯同経験あり。パーソナルでの走り方指導も行っており、フリートレーナーとして色々な現場で活動中。

トレーナー・整体師としての活動以外にも、整体院店舗立ち上げ、集客、人事、労務、データツール作成など治療院運営に関しての経験もあり。

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