
問41 膝関節の構造と機能について誤っているのはどれか。
a. 膝関節は生理的に外反している。
b. 外側半月板は内側半月板と比較して可動性が大きい。
c. 膝関節の屈曲にともない脛骨は内旋する。
d. 膝関節の屈曲にともない半月板は後方へ移動する。
e. 外側側副靭帯は膝関節の外反を制動する。
正解:e
a.正しい。
b.正しい。
c.正しい。
d.正しい。
e.内側側副靭帯は膝関節の外反を制動する。
内側側副靱帯は膝の外反動揺性に対する主制動因子であり,外反に対する制動力の60~80%を占める.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖
問42 間接圧迫法の止血点でその名称と場所が正しいのはどれか。

a. 上腕動脈
b. 橈骨動脈
c. 正中動脈
d. 大腿動脈
e. 腓骨動脈
正解:d
a.腋窩動脈
b.上腕動脈
c.橈骨動脈・尺骨動脈
d.正しい。
e.膝窩動脈
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識 より引用
問43 メンタルトレーニングの評価について正しいのはどれか。2つ選べ。
a. POMS ではオーバートレーニングの状態や心理的コンディショニングの評価が行える。
b. 選手の「心理的特性」と「心理状態」を明確に区分して評価することが重要である。
c. 評価の妥当性を高めるために、できるだけ多くの検査を組み合わせて実施すべきである。
d. テストの結果を選手にフィードバックすることは望ましくない。
e. 心理検査は、定期的に実施すべきではない。
正解:a,b
a.正しい。
b.正しい。
c.評価の妥当性を高めるためには、必要な検査を組み合わせて実施すべきである。
d.テストの結果は選手にフィードバックすべきである。
e.心理検査は、定期的に実施すべきである。
1週間,1ヵ月間,あるいは数ヵ月間の間に,POMS (気分プロフィール検査)などを用いて、 定期的に心理的コンディションを評価する.競技者の自覚的コンディションを継続的にチェックすることにより,表面的に現れにくい競技者のコンディションの変化を早期にとらえることが可能となる.またPOMSは,オーバートレーニングの指標として有効であることが報告されており,疲労度,精神的ストレスを含めた総合的なコンディションの把握に有効な方法であると考えられる.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第6巻 予防とコンディショニング

問44 食事指導の実際として誤っているのはどれか。2つ選べ。
a. 食品摂取頻度調査法では、調査票への5~10分程度の記入で栄養摂取状況の傾向について把握することが可能である。
b. 実態把握は少なくとも数年に1回の食事調査を行い、状況と目標の確認をしていくことが望ましい。
c. グループ指導では互いに刺激しあったり励ましあうなど、相互に啓発されることにより個別指導ではみられない効果が期待できる。
d. 指導の中では、毎回何をどれだけ食べるかあるいは減らすかという具体的なアドバイスをすると、選手は実践しやすくなる。
e. 個別指導は最初の動機づけとしては有効な手段であり、継続的には必要ない。
正解:b,e
a.正しい。
b.実態把握は少なくとも年に数回の食事調査を行い、状況と目標の確認をしていくことが望ましい。
c.正しい。
d.正しい。
e.個別指導は最初の動機づけとしては有効な手段であり、継続的には必要ない。
食事指導を実施する前(介入前)に食事調査を実施して現状を把握し,指導後一定期間経過した後(介入後)に再び行い,栄養摂取状況などに改善がみられたかどうかを評価する。 少なくとも年に数回の食事調査を行い,状況と目標の確認をしていくことが望ましい.
(中略)
減量,貧血,故障時などには,個別のきめ細かい指導と食事調整が必要となる.食事調整を実施するのはほかならぬ選手自身であるため,選手のモチベーションを維持させることが大切である.そのために,ときどき面接を行い目標や意志を確認したり,練習日誌とともに食事日誌をつけさせる,メールや手紙などを活用して面接ではいいにくかった疑問点や悩みをきくなど,選手の個性と性格,状況等に合わせてサポートを行う.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養
問45 ウイルス性結膜炎について誤っているのはどれか。
a. ウイルス性結膜炎は、伝染力が非常に強く集団発生しやすい。
b. 咽頭結膜熱の潜伏期が約1日と非常に短い。
c. 流行性角結膜炎は、初発眼の方が他眼に比べ症状が強くみられる。
d. アデノウイルス、エンテロウイルスによる結膜炎については、直接有効な薬剤はない。
e. 流行性角結膜炎で角膜に混濁がみられるときは、ステロイド薬点眼が用いられる。
正解:b
a.正しい。
b.咽頭結膜熱の潜伏期は約4-7日。
c.正しい。
d.正しい。
e.正しい。
潜伏期はおおよそ4~7日,発熱で発症し,咽頭炎,上気道炎などかぜ症状に加え,充血,異物感,流涙,眩しさ,眼脂などの結膜炎症状が数日間続く.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学
問46 ハムストリングス肉ばなれについて誤っているのはどれか。
a. 大腿二頭筋長頭に最も多く発症する。
b. 筋腱移行部の腱膜損傷はⅡ型に分類される。
c. Ⅰ型のMRI画像所見は出血のみである。
d. Ⅰ型は受傷後1~2週でスポーツ復帰が可能である。
e. Ⅰ型は受傷後に患部の強いストレッチ痛がみられる。
正解:e
a.正しい。
b.正しい。
c.正しい。
d.正しい。
e.受傷後に患部の強いストレッチ痛があるのはⅡ型。
まず、受傷直後のストレッチ痛を確認し,ストレッチ感覚があり,痛みもほとんど軽度であればⅠ型として応急処置を施す.(中略)ストレッチ痛が明らかなものはⅡ型以上を疑い,可能であれば早急にMRIを撮像する.
スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド

問47 運動と循環について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.血液は右心室から動脈を通じ全身に運ばれる。
b.成人男性では血液100ml当たり最大約20mlの酸素を運搬することができる。
c.運動強度が高まると、1回拍出量はほぼ直線的に増加する。
d.持久性トレーニングにより、筋毛細血管数が増加する。
e.持久性トレーニングを長期間行うと、最大1回拍出量が減少する。
正解:b,d
※この回答に関しては、明確な引用元が見つけられませんでした。
a.血液は左心室から動脈を通じ全身に運ばれる。
b.正しい。
c.運動強度が高まると、1回拍出量は初期のみ増加する。
d.正しい。
e.持久性トレーニングを長期間行うと、最大1回拍出量が増加する。
問48 肩の外傷・障害について正しいのはどれか。
a.投球障害による上方関節唇損傷の発生機序としてinternal impingement があげられる。
b.上方関節唇損傷の特徴的な症状は上肢下垂位での肩関節回旋運動時痛である。
c.Yargason test は上方関節唇損傷の代表的な疼痛誘発テストである。
d.Neerのimpingement test は、肩甲骨を抑え、肩屈曲・肘屈曲位で他動的に患側の肩を内旋させるテストである。
e.Relocation testは棘下筋の検査法である。
正解:a
a.正しい。
b.上方関節唇損傷の特徴的な症状は上肢外転時での肩関節回旋運動時痛である。
c.Yargason test は上腕二頭筋長頭腱炎の代表的な疼痛誘発テストである。
d.Hawkinsのimpingement test は、肩甲骨を抑え、肩屈曲・肘屈曲位で他動的に患側の肩を内旋させるテストである。
e.Relocation testは肩関節の前方不安定性テストである。
発生機序としては、外傷性とオーバーユースにより生じるものに大別される.(中略)WalchらやJobeらは,コッキング後期の外転外旋時に腱板関節面と上方関節唇が骨頭と関節窩の間にはさまれるpostrero-superior impingement またはinternal impingementをその要因として報告した.
スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド
問49 成長期の発育発達について誤っているのはどれか。2つ選べ。
a.男子においては13歳から15歳にかけてVO2maxが急激に増加する。
b.思春期前の子供においては、筋力トレーニングの効果は認められない。
c.身体の増加量がピークとなる時期以降の有酸素能力の増大には、男性ホルモン分泌増大が関与する。
d.生理学的筋横断面積の性差は、17歳時点までほとんど認められない。
e.思春期前の子供における筋パワーの増加には、神経系の発達が大きく関与する。
正解:b,d
a.正しい。
b.思春期前の子供においても、筋力トレーニングの効果が認められる。
c.正しい。
d.生理学的筋横断面積の性差は、13歳時点までほとんど認められない。
e.正しい。
公認スポーツ指導者養成テキスト 共通科目Ⅰ
問50 突然死のリスクの高い循環器疾患について正しいのはどれか。
a.肥大型心筋症は左室内腔の拡大を伴う左心室壁肥厚が見られる。
b.不整脈原性右室心筋症では、運動強度を制限しながらスポーツ活動が許可される。
c. マルファン症候群では大動脈解離が突然死の原因となる。
d.マルファン症候群ではスポーツ活動が全面的に禁止される。
e.急性心筋炎では感冒症状が落ち着くまではスポーツ活動を禁止する。
正解:c
a.肥大型心筋症は左室内腔の狭小を伴う左心室壁肥厚が見られる。
b.不整脈原性右室心筋症では、スポーツ活動は禁止される。
c.正しい。
d.マルファン症候群では高強度スポーツやコンタクトスポーツは禁止される。
e.急性心筋炎発症後半年間はスポーツ活動を禁止する。
マルファン症候群は遺伝性疾患で,血管,骨格,眼球などの結合組織の代謝異常をきたす疾患である.(中略)高身長が疾患の特徴であるため,バレーボールやバスケットボールなどの競技者に多く認められ,大動脈解離による大動脈の破裂がスポーツ中の突然死の原因となる。
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷と障害の基礎知識
