問61 頭部の表層からの構造で正しいのはどれか。
a. 頭蓋骨→くも膜→硬膜→軟膜
b. 頭蓋骨→軟膜→硬膜→くも膜
c. 頭蓋骨→軟膜→くも膜→硬膜
d. 頭蓋骨→硬膜→軟膜→くも膜
e. 頭蓋骨→硬膜→くも膜→軟膜
正解:d
a.誤り。
b.誤り。
c.誤り。
d.誤り。
e.正しい。
一番外側にクッションとなる「頭皮」があり、その下には,球形に近く,なおかつ,対質通性に優れた硬い「頭蓋骨」がある.この二つの組織が低速度の衝撃や硬いものからの打撃など種々の外力に対する防御壁となっている。この内側には、柔らかい「脳組織」が存在するわけだが,実際その周りは,頭蓋骨の直下に「硬膜」と呼ばれる硬い膜があり,さらにその内側には「くも膜」という薄い膜が存在し,脳はこれらに覆われている。
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷・障害の基礎知識
問62 筋・腱の構造と機能について正しいのはどれか。2つ選べ。
a. 筋繊維束は筋内膜に包まれており、その中に筋繊維が存在する。
b. 筋の骨付着部は異なる多層の組織による多層構造になっている。
c. 筋と腱の境界は、筋腱移行部となり、筋の収縮力を腱に伝えることができる。
d. 筋と腱は、筋-腱複合体として同一の力発揮形態を持つ。
e. 筋と腱の移行部に筋紡錘が位置する。
正解:b.c
a.筋繊維束が包まれているのは筋周膜。
b.正しい。
c.正しい。
d.筋と腱はの力発揮形態は異なる。腱は収縮しないが、筋は収縮する。
e.筋紡錘が位置するのは筋。腱には存在しない
骨格筋は腱を通じて骨へ付着する.筋と腱の境界は筋腱移行部となり,筋と離が密接に連結しており、筋の収縮力を腱に伝えることができる.腱は,腱線維(膠原線維が密に集合した腱原線維と腱細胞の集合体)の間に毛細血管が入り込んだ構造をしている.腱の骨付着部は、異なる多層の組織による多層構造になっている.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の解剖と機能
問63 皮膚感染症について正しいのはどれか。
a. 傷口は消毒しないと化膿する。
b. 創傷の化膿はウイルス感染によるものである。
c. 単純ヘルペスは全身性に水泡がみられるウイルス感染症である。
d. 足白癬は真菌が皮膚の角層に寄生してできる。
e. 麻疹は人から人への感染は少ない。
正解:d
a.傷口は消毒しないと化膿するとは限らない。
b.創傷の化膿はウイルス感染ではなく細菌感染。
c.単純ヘルペスは鼻や口の周囲に水泡がみられるウイルス感染症である。
d.正しい。
e.麻疹は人から人への感染が多い。
水虫は白癬菌という真菌(カビ)が皮膚の角層に寄生してできる.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学
問64 筋力トレーニングによる適応について正しいのはどれか。
a. 筋の羽状角が減少する。
b. 生理学的筋横断面積が減少する。
c. 骨密度が減少する。
d. 筋線維数が減少する。
e. 筋原線維数が増加する。
正解:e
※この回答に関しては、明確な引用元が見つけられませんでした。
a.筋の羽状角は増加する。
b.生理学的筋横断面積は増加する。
c.骨密度は増加する。
d.筋線維数は変わらない。
e.正しい。
問65 肩関節前方脱臼について誤っているのはどれか。
a. 関節窩前方部の関節唇の剥離を Bankart 病変という。
b. 反復性の場合、腱板機能低下が主病態となっていることが最も多い。
c. 初回脱臼年齢が高くなるほど反復性への移行率は低下する。
d. 肩関節外転外旋強制のみならず肩関節過屈曲強制でも好発する。
e. 反復性の場合、2回目以降の脱臼は比較的軽微な外力で起こる。
正解:b
a.正しい。
b.反復性の場合、腱板機能低下が主病態ではなく、Bankart 病変の存在と下関節上腕靱帯の機能不全となっていることが多い。
c.正しい。
d.正しい。
e.正しい。
反復性肩関節前方脱臼・亜脱日の病態は関節前方部の関節唇の剝離(Bankart病変)と上腕骨頭後上方部の骨軟骨欠損または陥凹(Hill-Sachs病変)であるが,実際は、Bankart病変の存在と下関節上腕靱帯(AIGHL)の弛緩により,いわゆる関節-靱帯複合体が機能不全を起こすことが主病態となっていることが最も多い
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷・障害の基礎知識
問66 皮膚の働きについて誤っているのはどれか。
a.水分の侵入を防ぐ。
b.体温調節をする。
c.吸収作用
d.造血機能
e.抗体産生機能
正解:d
a.正しい。
b.正しい。
c.正しい。
d.造血機能はない
e.正しい。
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学 より参照
問67 体幹・股関節の外傷・障害について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.発育期に発症した腰椎分離症は、早期に発見した場合は保存療法で骨癒合が得られる。 b.Femoroacetabular impingement ピンサー型では、大腿骨頭頚部移行部が寛骨臼縁に衝突
を繰り返す。
c.コンタクトスポーツ選手における頚椎椎間板ヘルニアの術後競技復帰率は 50%程度であ
る。
d.慢性化した鼠径部痛症候群では股関節の内旋拘縮が起こることが多い。
e.鼠径部痛症候群における股関節周囲筋の拘縮に対する強刺激マッサージは禁忌である。
正解:a.b
a.正しい。
b.正しい。
c.コンタクトスポーツ選手における頚椎椎間板ヘルニアの術後競技復帰率は80%程度。
d.慢性化した鼠径部痛症候群では股関節の外旋拘縮が起こることが多い。
e.鼠径部痛症候群における股関節周囲筋の拘縮に対する強刺激マッサージは有効である。
腰椎分離症は,腰椎椎弓の関節突起間部が疲労骨折を起こし分離し,偽関節となった状態である.好発年齢は発育期の10〜17歳であるが,小学校低学年や成人でも発症することがある.発育期で発症した場合は初期に発見し,保存療法を開始すれば骨癒合が得られる.
femoroacetabular impingement(FAI)は,股関節と骨盤の解剖学的な形態異常により大腿骨近位部と骨盤(主に寛骨臼)が異常に接触することで起こる病態である.ピンサー型と呼ばれる寛骨臼縁が過被覆しているものでは,大腿骨頭・頚部移行部が寛骨臼縁に衝突を繰り返し,股関節唇損傷を引き起こす.
スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド
問68 分岐鎖アミノ酸として正しいのはどれか。2つ選べ。
a.グリシン
b.アラニン
c.イソロイシン
d.アルギニン
e.バリン
正解:c,e
a.グリシンは分岐鎖アミノ酸ではない。
b.アラニンは分岐鎖アミノ酸ではない。
c.正しい。
d.アルギニンは分岐鎖アミノ酸ではなく塩基性アミノ酸。
e.正しい。
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養
問69 頭蓋骨骨折について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.頭蓋骨に対する外力で、瀬戸物が割れるかのように線状に割れている状態を線状骨折とい
う。
b.頭蓋骨骨折の場合、本人の自覚が最も診断に重要な情報となる。
c.硬膜外血種が形成されると同時に、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が出現する。
d.急性硬膜外血種は、立ち木やポストなどへの衝突、硬い表面への転落などで生じることが
多い。
e.急性硬膜外血種は、脳と硬膜との間に出血が貯留することにより血種が形成される。
正解:a.d
a.正しい。
b.頭蓋骨骨折の場合、本人の自覚症状は当てにならない。
c.硬膜外血種が形成されても、直後は無症状のこともある。
d.正しい。
e.急性硬膜外血種は、硬膜と頭蓋骨との間に出血が貯留することにより血種が形成される。
問70 図の筋の配置で誤っているのはどれか。2つ選べ。

a.円回内筋
b.長掌筋
c.橈側手根屈筋
d.浅指屈筋
e.尺側手根屈筋
正解:b.c
a.正しい。
b.橈骨手根屈筋
c.長掌筋
d.正しい。
e.正しい。
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖






