問81 整形外科的メディカルチェックについて誤っているのはどれか。
a.競技者だけでなく、一般スポーツ愛好家に対しても実施される。
b.外傷・障害の予防を目的として実施する。
c.全ての対象者の評価項目は、アライメント、全身関節弛緩性テスト、骨密度検査の3項目は必須検査としなければならない。
d.筋力測定、身体測定との組み合わせも貴重なデータとなる。
e.個々の対象者へのフィードバックは、チェック終了時にできるだけ早く行うことが望まし
い。
正解:c
a.正しい。
b.正しい。
c.アライメント、全身関節弛緩性テスト、骨密度検査の3項目は必ずしも必須というわけではなく、種目や選手特性によって異なる。
d.正しい。
e.正しい。
新人に対しては1名当たり20~30分程度の時間をかけ,それぞれの種目ごとのチェックチャートに基づいて,過去の外傷・障害歴,スポーツ歴,アライメント,全身関節弛緩性,タイトネスのチェックなどを行う.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷・障害の基礎知識
問82 過換気症候群について誤っているのはどれか。2つ選べ。
a.ペーパーバッグ法は、血液中の炭酸ガス濃度を減少させる。
b.動脈血炭酸ガス分圧が増加した状態を過換気という。
c.めまいやしびれ、胸痛などが起こる。
d.軽症の場合には息こらえ呼吸で軽快することがある。
e.運動と同様に過換気も喘息の増悪因子と考えられている。
正解:a.b
a.ペーパーバッグ法は、血液中の炭酸ガス濃度を増加させる。
b.動脈血炭酸ガス分圧が減少した状態を過換気という。
c.正しい。
d.正しい。
e.正しい。
肺胞換気量の上昇により動脈血炭酸ガス分圧が低下した状態を一般に「過換気」という.
軽症の場合には,競技者に十分に病状を説明し,ゆっくり呼吸をさせる(息こらえ法)などの説得で軽快する場合がある.それで不十分な場合の治療法としてペーパーバッグ法が一般的によく知られている.すなわち紙袋を患者の口にあてがい,吐き出された呼気を再び吸うことで,吸気中の炭酸ガス濃度を上昇させ血液中の炭酸ガス濃度を上昇させて症状をとろうというものであり,低炭酸ガス血症が症状を作り出すといった従来の考え方にはかなうものであった.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学
問83 運動の表し方について正しいのはどれか。
a.矢状面は人体を前後に分ける面である。
b.垂直軸を中心に水平面で生じる運動に屈曲運動がある。
c.水平面は人体を左右に分ける面である。
d.解剖学的姿勢では、手掌は大腿側に向いている。
e.分回し運動は、屈曲、伸展、外転、内転の組み合わせによって生じる。
正解:e
a.矢状面は人体を左右に分ける面である。
b.垂直軸を中心に水平面で生じる運動に回旋運動がある。
c.水平面は人体を上下に分ける面である。
d.解剖学的姿勢では、手掌は正面側に向いている。
e.正しい。
d. 分回し運動circumduction
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖
前述の基本的な運動のうち,屈曲,伸展,外転,内転の組み合わせによって生じる動きで,遠位部が円を描くような動きをすることから描円運動と呼ぶこともある,例えば肩関節をぐるぐる回すような動きのことである.
問84 歯の構造についてAからEの名称の組み合わせとして正しいのはどれか。

a.A.エナメル質 B.セメント質 C.象牙質 D.歯冠 E.歯根
b.A.エナメル質 B.セメント質 C.歯根 D.歯槽骨 E.歯髄
c.A.セメント質 B.エナメル質 C.象牙質 D.歯根 E.歯冠
d.A.セメント質 B.エナメル質 C.歯髄 D.歯根 E.歯冠
e.A.セメント質 B.エナメル質 C.象牙質 D.歯髄 E.歯冠
正解:a.c
a.誤り。
b.誤り。
c.誤り。
d.誤り。
e.正しい。
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷・障害の基礎知識 より参照
問85 気管支喘息の特徴として正しいのはどれか。2つ選べ。
a.呼気の延長がみられる。
b.病態として急性気道炎症がある。
c.気道過敏性検査は発作時に実施する。
d.運動直前のβ2 作用薬の吸入は運動誘発性気管支攣縮の予防に有効である。
e.ウォーミングアップは温度・湿度の低い環境で行う。
正解:a.d
a.正しい。
b.病態として慢性気道炎症がある。
c.起動過敏性検査は発作時に行ってはいけない。
d.正しい。
e.ウォーミングアップは温かく、湿度の高い環境で行う。
「息が吸えない,息が苦しい」と訴える発作性の喘鳴,咳嗽,呼吸困難が典型的な症状である.喘鳴,努力性呼吸,呼気延長,起座呼吸がみられる.
運動直前に吸入B2作用薬の吸入で2時間程度の予防効果があり,もっとも効果的である.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト第4巻 健康管理とスポーツ医学
問86 運動単位について誤っているのはどれか。
a.1つの運動単位を構成する筋線維のタイプはすべて同一である。
b.1つの運動単位に属する筋線維群は筋の一部にかたまって存在する。
c.運動ニューロンの閾値は細胞体が小さいほど低い。
d.個々の筋線維は収縮力を変化させることはできない。
e.弱い収縮力しか必要でないときは、typeI線維がまず動員される。
正解:b
※この問題に関して、参照元がみつけられませんでした。
a.正しい。
b.1つの運動単位に属する筋線維群は筋に広く分布する。
c.正しい。
d.正しい。
e.正しい。
問87 女性にみられるスポーツ外傷・障害について誤っているのはどれか。2つ選べ。
a.Q-angle が大きいと膝蓋骨は内側に牽引され、亜脱臼の原因となる。
b.なで肩の場合、胸郭出口症候群を起こしやすい。
c.外反母趾は女性に多い足部アライメント不良である。
d.carrying angle が大きいと肘屈曲時の正中神経の脱臼リスクとなる。
e.無月経の持久系選手は著しい低骨密度を示すことがある。
正解:a,d
a.Q-angle が大きいと膝蓋骨は外側に牽引され、亜脱臼の原因となる。
b.正しい。
c.正しい。
d.carrying angle が大きいと肘屈曲時の尺骨神経の脱臼リスクとなる。
e.正しい。
膝蓋骨は大腿骨の膝蓋面上を滑走するが,女性ではQ-angleが大きいため膝蓋骨を外方に引く力が強くなる.その結果,関節面に働く圧力が均一にならず,奥断力も働き,軟骨が損傷を受けやすい.このような背景を有する競技者がつま先を外に向け膝外反位(knee in,toe out)で強く大腿四頭筋を収縮させると膝蓋骨の脱臼や亜脱臼を生じる.高い関節弛緩性も膝蓋骨の脱臼や亜脱臼に関与する.
女性では肘のcarrying angleが大きく,肘の屈曲時に尺骨神経が内側上顆上に脱臼する(図111-G-8)ことで尺骨神経の刺激症状を示す例が男性より多くみられる.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第3巻 スポーツ外傷・障害の基礎知識
問88 栄養教育の意義、進め方として誤っているのはどれか。
a.食事は単に栄養を摂取し生体調節をする手段としてのみでなく、社交性、経済性、簡便性、食文化、教育などの機能も含んでいる。
b.対象者が栄養や食生活に対する正しい知識を持つことを目指した知識の啓発は必要がない。
c.栄養改善に向けた実践活動が継続的に行われるべきである。
d.行動の結果として対象者の健康保持につながるよう栄養教育を行うことが重要である。
e.欠食をしない、毎日牛乳を飲むというふうに複数の小目標が設定されることが多い。
正解:b
a.正しい。
b.対象者が栄養や食生活に対する正しい知識を持つことを目指した知識の啓発は必要。
c.正しい。
d.正しい。
e.正しい。
栄養教育,食事指導においては,段階的には次のような一連の事項が達成されることが必要である.
1.対象者が栄養や食生活に対する正しい知識を持つこと(知識の啓発).
2.栄養改善に向けた実践活動が行われること(行動の変容).
3.行動の結果として対象者の健康の保持増進につながること(ベストコンディションの維持)公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養
問89 糖尿病患者における運動禁忌の症例について誤っているのはどれか。
a.ケトーシスを生じている者
b.高度の高血糖を呈している者
c.活動性の感染症がある者
d.重症な合併症がある者
e.内服薬やインスリンを使用している者
正解:e.c
a.正しい。
b.正しい。
c.正しい。
d.正しい。
e.内服薬やインスリンを使用している者は運動は禁忌ではなく、注意しながらの実施が可能。
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト第4巻 健康管理とスポーツ医学 より参照
問90 様々な状況における栄養ケアとして誤っているのはどれか。2つ選べ。
a.海外遠征では、貝類や甲殻類、調理が不十分な食べ物、香辛料がふんだんに入った食べ物などは特に注意し、なじみのある食べ物だけを選ぶようにしたほうがよい。
b.合宿中は、摂取エネルギー量を減少させることにより体重減少を行い、身体の動きを良くすることを目指す。
c.合宿中で、運動強度が強くなることや運動時間が長くなることにより食欲が減退する場合には、香辛料や酢をうまく利用し、食が進むような努力を行う。
d.オフ期は消化、吸収が抑制される状態にありトレーニング期の感覚で食べる量を決定すると、過小な摂取となる可能性がある。
e.オフ期間中の暴飲暴食日の前後の過ごし方によって、暴飲暴食の悪影響を最小限にすることができる。
正解:b.d
a.正しい。
b.合宿中は、摂取エネルギー量を増加させることにより体重減少を防ぐ。
c.正しい。
d.オフ期は消化、吸収が十分に行われる状態にあるため、トレーニング期の感覚で食べる量を決定すると、過剰な摂取となる可能性がある。
e.正しい。
合宿での激しいトレーニングのために,合宿期間中,体重が減少することがある.さらに,合宿期間中の体重減少により,身体の動きが一時的によくなることがある.しかし,激しいトレーニングに伴う食欲および消化・吸収能力の減退によって引き起こされた摂取エネルギー量の減少による体重減少は,合宿終了後の体調不良の原因となる可能性を秘めている.激しいトレーニング期にこそ,栄養素が十分に蓄えられた状態に,体重が減少しないように栄養補給を行い,合宿期を過ごすべきである.
また,トレーニング期は,トレーニング時間中,消化,吸収の抑制が起こり,吸収能力が落ちることがあるが,オフ期は,十分な消化,吸収を行う状態にあり,吸収能力が高くなると考えられる.そのためトレーニング期の感覚で,食べる量を決定しても(消費エネルギー量の減少を加味したとしても),過剰な摂取となる可能性がある.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養




