過去問解説 2020年度(令和2年度)AT理論試験基礎⑥

2020AT理論試験

アスレティックトレーナー理論試験の過去問を解説していきます。
公式の解答ではなく、あくまで個人が解説しているものになりますので、正誤を保証するものではありません。ご承知おきください。

問51 顔面骨折の組み合わせについて誤っているのはどれか。

a. 難聴 ー 側頭骨骨折
b. 開口障害 ー 顎関節骨折
c. 複視 ー 眼窩骨折
d. 咬合不全 ー 頬骨弓骨折
e. 斜鼻 ー 鼻骨骨折

正解:d

a.正しい。

b.正しい。

c.正しい。

d.咬合不全 ー 上顎骨・下顎骨骨折

e.正しい。

顔面外傷の時は,常に顔面骨骨折を合併している可能性を念頭に入れて対処する(中略)開口障害一類骨弓,顎関節骨折
咬合不全一上・下顎骨骨折
複視一眼窩骨折
眉が上がらない 、口角下垂等顔面麻痺一顔面神経損傷
知覚麻痺— 三叉神経損傷

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖


問52 運動時にみられる腹部症状について正しいのはどれか

a. 運動時の対応策は必要としない。
b. サイクリングはランニングよりも腹部症状が出現しやすい。
c. 運動中のわき腹の痛みの発生は運動強度と関連しない。
d. 最大運動負荷時あるいは直後に便失禁を伴う下痢を生じることがある。
e. 運動時の消化管出血は上行結腸の出血性腸炎が最も多い。

正解:d

a.運動時の対応策は必要。

b.サイクリングと比べ、ランニングの方が腹部症状が出現しやすい。

c.運動中のわき腹の痛みの発生は運動強度と関連する。

d.正しい。

e.運動時の消化管出血は急性出血性胃炎が最も多い。

長距離ランナーの下痢は臨床的に4つのタイプに分けることができる.(中略)2つ目は最大運動負荷時あるいはその直後の,下腹部のけいれん,直腸の攣縮,そしてしばしば便失禁を伴う下痢である.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学

問53 ピリオダイゼーションについて正しいのはどれか。2つ選べ。

a. 準備期は、筋肥大、最大筋力向上、ピーキングを目的としたプログラムを組む。
b. トレーニング周期はどの競技種目でも1年で区分けする必要がある。
c. トレーニング計画を目的別に期分けして、トレーニング量などを変化させることである。
d. GAS(general adaptation syndrome)理論はピリオダイゼーションの応用理論である。
e. マクロサイクル、メゾサイクル、ミクロサイクルに分けられる。

正解:c,e

a.準備期は、筋肥大、筋持久力、基礎筋力を目的としたプログラムを組む。

b.トレーニング周期は対象によってそれぞれ期間を設定する必要がある。

c.正しい。

d.GAS(general adaptation syndrome)理論はピリオダイゼーションの基礎理論である。

e.正しい。

ピリオダイゼーションとは、目的とするトレーニング効果を獲得するために,トレーニング計画を目的別に「期分け」し、各期に応じてトレーニング量・強度・種類を変化させることをいう.(中略)トレーニングプログラムは,例えば長期の年間計画であるマクロサイクル,数ヵ月 ごとの計画であるメゾサイクル,週および日ごとの計画であるミクロサイクルに分けられる.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第6巻 予防とコンディショニング

問54 スポーツにおける目標設定について誤っているのはどれか。

a. 評価→目標設定→遂行→達成度の評価というプロセスを繰り返すことが重要である。
b. チーム目標だけでなく、個人目標も重視すべきである。
c. 具体的というよりは、抽象的な目標を設定すべきである。
d. 長期目標と短期目標を設定することが重要である。
e. 現実的で挑戦的な目標を設定すべきである。

正解:c

※この回答に関しては、明確な引用元が見つけられませんでした。

a.正しい。

b.正しい。

c.抽象的ではなく具体的な目標を設定すべきである。

d.正しい。

e.正しい。

問55 低温環境における生体応答について誤っているのはどれか。

a. 神経伝達速度は低下する。
b. 筋腱の伸長性は低下する。
c. 尿量が増加することで脱水になる可能性がある。
d. 凍傷になった場合は患部を一気に加温する。
e. 体表から熱放散しやすい。

正解:d

a.正しい。

b.正しい。

c.正しい。

d.凍傷になった場合は患部を徐々に加温する。

e.正しい。

凍傷になった場合には徐々に患部を加温し血流を十分に回復させることが有効であるが,中症以上では皮膚科の受診が望ましい.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第4巻 健康管理とスポーツ医学

問56 アスリートのウエイトコントロールについて正しいのはどれか。2つ選べ

a. 筋量の変化は除脂肪量を定期的に評価することで推定できる。
b. エネルギー摂取が十分である場合、持久性競技で体重1kgあたり1.2〜1.4g、筋力・瞬発力系競技で体重1kgあたり1.7〜1.8gのタンパク質摂取が推奨されている。
c. アスリートに推奨されている炭水化物の摂取量は、体重1kgあたり7〜10gであり、丼ご飯(300g)2~3杯分になる。
d. 魚類における脂質含有量は、さんまよりかれいで多い。
e. 減量期には食品の重量に注意し、おにぎり1個よりチョコレート1枚を間食として摂取する。

正解:a.b

a.正しい。

b.正しい。

c.アスリートに推奨されている炭水化物の摂取量は、体重1kgあたり7〜10gであり、丼ご飯(300g)4.5~6.5杯分になる。

d.魚類における脂質含有量はさんまの方が多い。

e.減量期には食品の重量ではなく栄養の密度に注意が必要。チョコレート1枚よりもおにぎり1個を間食として摂取するのが望ましい。

体重の構成要素は,1体脂肪量,2除脂肪量 (fat free mass : FFM あるいはlean body mass:LBM)に大別できる. (中略)また,トレーニングと食事調整により主たる変動を示すのは筋肉量と考えられるため,LBMを定期的に評価することで筋量の変化を推定することができる.

(中略)

国際オリンピック委員会(TOC)のスポーツ栄養コンセンサスによれば,エネルギー摂取が十分である場合,持久性競技で体重1kgあたり1.2~1.4g,筋力・瞬発力系競技で体重1kgあたり1.7~1.8gのたんぱく質摂取が推奨されている.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第9巻 スポーツと栄養

問57 下図の面で生じる運動として正しいのはどれか。

a.分回し
b.外旋と外旋
c.外転と内転
d.屈曲と進展
e.外返しと内返し

正解:d

a.分回しは複合運動。

b.内旋と外旋は水平面運動。(問題には外旋と外旋と記載があるが、誤字かと思われる)

c.外転と内転は前額面運動

d.正しい。

e.外返しと内返しは複合運動。

屈曲とは隣接する部位が近づき,互いのなす角度が小さくなる運動のことである.伸展は反対に隣接する部位が遠ざかり,互いのなす角度が大きくなる運動のことである.これらの運動は,前額軸を中心に矢状面上で生じる.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の解剖と機能

問58 鼻の損傷について正しいのはどれか。2つ選べ。

a.鼻は顔の中で突出しているため、損傷を受けやすい。
b.鼻骨骨折は3日以内なら徒手整復が可能である。
c.鼻出血の好発部位は後鼻部である。
d.鼻骨骨折では、開口障害が特徴的である。
e.鼻出血にサラサラの漿液が混ざる場合は早急に鼻タンポンを充填する。

正解:a,b

a.正しい。

b.正しい。

c.鼻出血の好発部位は前鼻部

d.鼻骨骨折では、鼻出血が特徴的である。

e.鼻出血にサラサラの漿液が混ざる場合は鼻タンポンを使用してはならない。

鼻は顔面の中で突出しているので,損傷を受けやすい.(中略)徒手整復:鼻骨は3日以内なら鼻孔から鉗子や指を入れて整復できる.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖

問59 リラクセーション技法について正しいのはどれか。

a.呼吸法では、腹式呼吸に慣れるまでは臥位よりも立位で行う。
b.呼吸法では呼息よりも吸息を長くする。
c.漸進的弛緩法では、心理的側面から心身のリラクセーションを目指す。
d.動作法では、対人交流過程と動作制御過程が同時に生じる。
e.自律訓練法では、身体的側面から心身のリラクセーションを目指す。

正解:d

※この回答に関しては、明確な引用元が見つけられませんでした。(おそらく共通科目テキスト)

a.呼吸法では、腹式呼吸に慣れるまでは立位よりも臥位で行う。

b.呼吸法では吸息よりも呼息を長くする

c.漸進的弛緩法では、身体的側面から心身のリラクセーションを目指す。

d.正しい。

e.自律訓練法では、心理的側面から心身のリラクセーションを目指す。

問60 随意運動について誤っているのはどれか。

a.随意運動とは自らの意思によって身体の骨格筋を制御して発生する運動のことである。
b.一次運動野からの出力線維は錐体外路と呼ばれる。
c. 右の大脳から錐体路を介した運動は左半身の運動を主に制御する。
d.運動フィードバックによる運動制御では小脳が重要な役割を果たす。
e.フィードバック機構が機能しない調整機構を開ループ制御という。

正解:b

a.正しい。

b.一次運動野からの出力線維は錐体外路ではなく錐体路

c.正しい。

d.正しい。

e.正しい。

一次運動野からは錐体路と呼ばれる出力線維が出ており,この錐体路は錐体で左右交叉をして脊髄の運動ニューロンに到達し,全身の運動制御にかかわる.

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 第2巻 運動器の機能と解剖
rami

国体で複数回入賞・全日本インカレ3年連続入賞経験のある元陸上選手。
現在は独立しアスレティックトレーナー・整体師として活動。東京都内で整体師として施術する傍ら、スポーツ現場では女子サッカー・陸上競技に帯同。

合格率約10%前後のアスレティックトレーナー(JSPO-AT)資格保有。
走り方のトレーニング、身体操作(ボディコントロール)が得意分野。

過去に東京五輪・日本選手権(陸上)のサポート経験、女子バスケのトレーナー帯同経験あり。パーソナルでの走り方指導も行っており、フリートレーナーとして色々な現場で活動中。

トレーナー・整体師としての活動以外にも、整体院店舗立ち上げ、集客、人事、労務、データツール作成など治療院運営に関しての経験もあり。

ramiをフォローする
タイトルとURLをコピーしました